モチコ著「あれこれやめて気楽に生きたい 最高ズボラ生活」を読んでみました。
(マンガです!コミカルで一気に読めちゃいます。)

家事をめんどくさいと感じている著者のモチコさん(もはや全人類がそうなのでは…)。
ワーママの彼女には、家事も育児も仕事もある。
山積みのタスクに疲れないように、ストレスをためずに楽しく暮らすために。実践しているのがズボラ生活だ。
ズボラという言葉には、マイナスイメージを抱く人もいるかもしれません。
本書では、「気楽に生きたい」という気持ちを大切に、家事と育児において「やらなくてもいいこと」を追求する日々をズボラ生活と呼んでいる。
ズボラのイメージが、肯定的になっただけではなく。
発見だったのは、ズボラ生活には想像もできなかった良い面があること。
新しい視点で家事や家庭のあり方まで…たのしく見直せる。
加えて、著者が紹介している「やらない家事・育児テクニック」は実用的でかんたん!
気持ちもタスクも全部ラクになる1冊です。
ひとつ注意点です。
著者モチコさんが言葉を重ねているように、
ズボラ=正義ではありません。
家族が不幸せでない範囲で、気楽に生きるアプローチとして、「手を抜く」という選択肢を紹介しているものです。
「ズボラ」のイメージが肯定的に!創意工夫と効率化
ズボラというと、なんだか「だらしない」「怠け者」みたいなマイナスイメージも沸きませんか?
読む前から、すでに家事をいろいろとサボっていた私。
「ズボラ生活」とはうちのことじゃん。
このマンガより、わたしのほうがズボラだったりするかも…。そしたら恥ずかしいなぁ…。
そんな思いで少しドキドキしながら読み始めました。
実際、著者モチコさんの「ズボラ生活」は、自分と共通点多数。
手抜きしてるの、わたしだけじゃないんだ(ホッ。)と安心。
(もちろん参考になった、具体的なズボラテクも多数。こちらは後述しますね。)
でもわたしとは明確に違うところが1つ。
それは、「やめられる家事を見つけたことで、気楽になった!」と肯定的に受け止めていたこと。
周りに知られたら恥ずかしいとかじゃなく。
家族が楽しく生きるために、この「やらない」がとても大事だという認識をしっかり持てている。
コミカルなイラストで、前向きに家事を最小限にする姿。
そこに、後ろめたさや暗っぽさはなく、積極的にズボラテクニックを追求する姿は楽しそうでもある。
そんな著者がとても親しみやすく、魅力的な人物に感じるのです。
ズボラ生活って、時間的にも精神的にも余裕をつくるための工夫なんだ!
「やるべき」「やらなきゃ」と思っている固定概念をくつがえす。
発想の転換や、発見、新しい試み…めちゃくちゃクリエイティブなことなのかも!?
なんのために「やらない」のか?
自分と家族がたのしくいるために、やりたくないことを「やらなくてもいいこと」に変換していく。
そんな軸をしっかり持てれば、恥ずかしさや罪悪感はなくなっていくんですよね。
そんなズボラマイスター?的な著者が訪ねたのは、さらなるつわもの。
その名も「全日本ズボラ主婦連盟」!!
発見だった!ズボラの意外な良い面
ズボラテクニックを駆使する著者が、さらに高みを求めた先に…出会ったのが、全日本ズボラ主婦連盟のふたり。
ネーミングのインパクトがす、すごい…。
そしてこの出会いがまた有益で!
(気持ちがラクになる名言も。ぜひ本書を開いてジーンと心打たれてほしいです。)
シン・ズボラわざの情報はもちろん、はっとしたのが考え方と、メリット。
(考え方)
母親(や妻)だけじゃなく、家族みんなで家事をしよう。
→ そもそも母(妻)がやると決まったものではないよね。という意識がたいせつ。
→ 家事要員は夫だけじゃない。小さな子どもたちも対象なのです!!
ズボラ家事のメリットとは?
家族(特に子どもたち)を巻き込むことで、
子どもたちが生きていくため(自活)のスキルを身に着けられる。
家族みんなで取り組み、ほめ合えば、「家事が家族時間に」なる!
でも本来、家のことはみんなでやるべきことで、妻や母がやるものと決まってるわけじゃない。
それなのに、、、
家事がいたらなかったり、家族にたのむことで、罪悪感を感じてしまうことあるよね?
それってもう潜在意識レベルで、「家事は女性」の固定概念があるのかも。
ジェンダーを意識してか、昨今の日用品CMは男性芸能人ばかりを起用している。
(洗剤やカレールウ、生活家電など…)
そんな令和の時代でさえ、まだ変えられていない一人一人の意識がある気がする。
家族に悪いな…と思ってしまったときこそ、私たちは思い出しましょう。
このズボラ家事分担のメリットを!
実際、私の息子は今2歳半ですが…そうじ機をかけるのが大好き。
せんたく物も干したい。たたみたい。と言って、自分から寄ってきます。
当たり前だけど、やってもらってもゴミは取り切れない。
せんたくものは、たたむというより丸めてる感じ…。
それでも。
わたしが家事をこなす時間、子どもに動画を見せっぱなしにしなくていいし。
家事時間が、子どもとコミュニケーションをとる時間になる。
やってみる価値あり、ですよね?
あと2,3年したら子ども用の包丁を買って、料理もやってもらおう。
せんたくも上手にたためるようになるだろうし、楽しみだなフフフ…。
でも…ひょっとしたらその頃には、お手伝いに興味をなくしていたりして。
「子どもには家事をさせない」家庭に育ったわたしの末路
そんなわが家のポリシーと真逆だったのが、わたしの実家。
母は「子どもには家事をさせない」というスタンスでした。
自分の母(祖母)にたくさん手伝いをさせられて、嫌だったからと。
そんな母のもと、ほぼなーんにもせずに嫁に行ったとき。(一度めの結婚で、その後、離婚)。
もう、すべてにうんざりしました。
家事の多さ、家にしばられてる感じ、同じことの繰り返し。
家事って時間的にこんなに拘束されるんだ…。
せんたくを外干しするなら、日差しのあるうちに。
干したら干したで、冷たくなる前に取り込まないと。
家族が返ってくるまえに夕飯の準備がある。
→ということはそれより早く買い物にも…。
自分のじかんは、こうした作業のスキマになってしまうんだな。
若い頃だったので、行動の自由が一気に奪われてしまったようで、悲しくなりました。
家事という大量のタスクを、いきなり「習慣」にするのはハードルが大きすぎた。
それ以前に、自分が家事が好きじゃないことさえ、知らなかった。
前もって家事に関わっておけば、負担が少なかったかもしれない。
母は母なりに、よかれと思って家事をさせなかったのはわかっています。
ずっと父と二人で家事をしてくれたことにも、感謝しています。
でも、母はいつもぐちっていました。当然です。
共働きで、当時は時短家電なんてものもなく、1日は家事と仕事で終わってしまう。
「自分の時間がない。」「私はこんなにいろいろやってる。大変だ。」と。
子どもながら、申しわけないな、どうすればいいのかな…と思っていました。
母、と聞いてまず思い出すのは、愚痴とつかれた顔、そして居心地がわるくなる感覚。
わたしは子どもに愚痴を言いたくない。
子どもがわたしを思い出すとき、その顔はできれば笑顔であってほしい。
息子が結婚したときは、奥さんにも笑顔でいてほしい。
そんな思いもあり、息子にはじゃんじゃん家事やってもらおうと思っています。
むり強いはしないけど、やる気の時には、ね。
家庭が楽しくあるために、自分も楽しいことをする時間を作らないと。
作品を通して送られる、頑張っている人へのエール
世の中には、自分をぎせいにして、家事も育児もカンペキにしている人もいます。
スーパーウーマン。
ドラマ「対岸の家事」に出てくる、長野礼子さんみたいな。
(江口のりこさん、かっこよすぎ。)
でも自己犠牲を続けていると、まわりに批判的なりがちだなぁって感じます。
気持ちに余裕がないから。
わたしはこんなに大変なのに…ラクばっかりして。
人に頼ってばかりで、がんばらないなんてずるい。
そんな思考に、わたしもなったことがある。
対して、自分のキャパを知り、優先順位に潔い人はやさしい。
余裕があるから、思いやれる。
自分と相手、どっちが大変かなんて競争はしない。
この本の著者モチコさんも、気持ちにゆとりがある。
だから、本にこめるメッセージがとても優しい。
いつもまわりに肯定的だ。
みんな十分がんばってるよ!しんどい時は手を抜いていいんだよ。
そんなおもいを作中の随所に感じる。
例えば。
ご飯が食卓にのるまでって 考えることたくさんで
作るにしても
出来合いのものを買うにしても大変!
家族のお腹を満たす…
それだけで手抜きじゃないし えらいし 愛情なんですよ!
みんなが国民栄誉賞!
いままでに総菜を買ってきて、ほめてもらえることがあったでしょうか?
手作りは善、出来合いは悪、的な。(これも擦りこみ?)
お弁当を買ってきたとき。
「今日は忙しかったから…買ってきちゃった」と、言い訳まじりに報告していた私。
この言葉で、救われた人はわたしだけじゃないはず!…たぶん。
「そうそう!今まで言えなかったけど、本当は買うのすらめんどうだし。
気持ちに喝を入れて、調達してきたんだよー」と。
ここから先は、本書により自分が励まされた言葉をピックアップしていきます。
そのためどうしてもネタばれになる部分があります。
ネタばれは嫌、という方はこの先は読まないでくださいね。
クオリティを下げる、という前向きなことば
皆がおもってる「この程度はやらないと!」の基準や理想が、高すぎる。
期待値を下げたら罪悪感もなくなる!
そう話していた全日本ズボラ主婦連盟の浅倉さん。
このクオリティを「下げる」って表現がいいな!て思ったんですよ。
同じような発想をしつつも、わたしが使っていたのは「あきらめる」。
もっとキレイな部屋で気持ちよく過ごしたい。けど、どうしても時間がないからあきらめる。
メイクや美容も楽しみたいけど、子どもとの時間が優先だから、あきらめるしかない。
あきらめることで、楽になる。そう言い聞かせていました。
でも「あきらめる」って、やっぱりマイナスなイメージも強い。
いやいや手放したみたいな、ざんねんな印象があるよね。
でもクオリティを「下げる」は、調整可能!
今はキャパオーバーだから積極的に「下げている」だけ。
また余裕ができたり、やりたくなったときはいつでもクオリティは上げられるんです。
もともと家事は好きだけど、できない状況に追い込まれてるって方も。
この考え方をしたら、ストレスがちょっと減るかもしれません。
そんな言葉の選び方でも、受け止め方を変えられることに気づけました。
「ほこりじゃ死なない!」のパワーワード
優先順位的にご飯、せんたく…ときて。どうしてもそうじって後回しになりがち。
2歳の息子は、よく座り込んだままとか、寝っ転がったまま、ズリズリと動く。
そうじの行き届いていない部屋中を…。
「あぁぁぁぁ!服にほこりがつきまくる!やめてくれぇ…」と激しいストレスでした。
そこにモチコさんワード。
ホコリで
うちの家族は
死なない。
なんか、かっこいい…。
全日本ズボラ主婦連盟の浅倉さんも。
料理をしなくても
部屋の中が片付いてなくても
家族の誰も不幸せじゃない限りは
なんの問題もないんです
いま、すごく尊い教えを授かったような気がしてくる…。
それ以降、ホコリまみれの息子をみても「まぁ死なないしな。これからお風呂だし」と大きな心で?見過ごせるようになりました。
そういえば…ホコリじゃ死なないって、前にどっかで聞いたことあるな。
友達だったかな?児童館のスタッフさんかも。
仕事と家庭を両立している先輩であることは間違いない。
この本を読んでそう言ってくれたのかもしれないし、
自分の経験から、その境地にたどり着いていたのかもしれない。
家事と育児に追い込まれないように。
「大丈夫。ホコリじゃ死なないから。無理しないで休んだらいいんだよ」
奮闘している後輩に向けた、パワフルで温かい言葉だ。
「子どもと遊ぶの…しんどい」は普通!
家事に手を抜くことに、全然ためらいが無くなっていた私。
友達と「こんなに手抜きしてるよー」とネタにすることもあるくらい。
そんな自分でも、なかなか言えなかったことがある。
それは………「子どもと遊ぶのがしんどい、面倒くさい」と思ってしまうときがあること。
ひどい、ダメ母だよね…子どもがかわいそうだよね…と心のなかで自分を責めていました。
そのときは、ちゃんと突き詰めて考えていなかったんです。
なぜか?どんなところが「しんどい」のか?を。
その答えをくれた、モチコさんのセリフ。
子どもが小さいときほど
死なないように
大きいケガさせないように
気をつかいながら過ごすし
ワンパターンな遊びを繰り返すし
終わる時間はわからないし
……
精神的にも身体的にもフルパワーよ!
長時間付き合ってるのえらすぎ天才!
そうか、危険がないかと神経を使うからつかれちゃうんだ!
終わりのない、同じ遊びのくり返しがめんどうだったんだ。
「息子と過ごすこと」に負担を感じてる気がして、そんな自分がイヤだったけど、そうじゃないことに気づけてよかった。
しかも子どもの遊びにつきあってることをこんなにほめてくれるなんて…!
神様ですか…!
私は無宗教だけど、この言葉を聞いて思った。
罪人が教会で懺悔をして、司祭様に赦しを得るのってこんな感覚なのかも、と。
以上が、わたしの心に刺さりまくりの言葉の数々でした。
最後に、本著のなかで紹介された多くのズボラテク&アイテムのなかから、自分が取り入れたいと思ったものをシェアして終わりたいと思います。
私がこれから取り入れたい!と思った「ズボラテクニック」
本作品のなかには、素晴らしきズボラテクニック・ズボラアイテムがあふれています。
そのなかで自分がコレいいな!と思ったのは
- (自立する)洗濯バスケットになる洗濯ネット(バスケットごと洗える!!)
- キッチンのシンクはペーパーでこする
- 油はね防止用の網(コンロ汚れがかなり防げる!)
- 服用の防虫剤はリユースできるものに(買い替えの手間なし)
- 大掃除の外注(経済も回せる!と前向きに考えます)
- 子どもの忘れ物は届けない(主体性、経験)
さらに現在、マイホームを建設中。
「家事をラクに」をテーマに、間取りや導入アイテム、エクステリアを計画。
これ、やりすぎかな?贅沢??と思ったものもあります。
が、本著のなかにも登場しているものばかり!
やっぱり計画しておいて良かった、と思いました。
どんなものかというと、
- ビルトイン食洗機
- 乾太くん(ガス乾燥機)
- 大きな作業台のあるランドリールーム
- 20年間洗わなくていい換気扇
- キッチン横のデスクワークコーナー(マグネットが貼れるホーロー壁)
- 人工芝とコンクリの外構(雑草や虫が減る)
かなり値の張るアイテムたちなので、思い切った投資でもあります。
しかし、まだ実際に使っていないため、良し悪しはわかりません。
新しい家に住み始め、実際にズボラ生活に貢献してくれるかジャッジして、情報共有したいと思います!
ズボラ生活っていいことづくめじゃん! 取り入れてみようかな。
今よりもっと手抜きテクを知りたい。
そんなふうに思って下さった方は、ぜひ「最高ズボラ生活」読んでみてくださいね。

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